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りんご姫プロジェクトの本質とは
りんご姫=あなた
という公式である
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怨憎会苦(おんぞうえく)
四苦八苦の一つ
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りんご姫を10年後にこそ輝くようなIP(知的財産)にしたい。
そのためのアプローチとして、もっと長い期間風説を耐え忍んできた本物の思考、哲学をベースにしておくのがいいのではと仮説を立てているんです。
マリオやトトロや、それにピカチューや、プーさんやミッキー、
ドラえもん、アンパンマン、スヌーピー、
それら偉大なIPは何年経っても輝きを増しているIPです。
もちろん、そこには圧倒的な才能の結集や、
資本の注入、そしてとてつもなく確率の低い運、
みたいなものが影響を与えていると思います。
でも、それで思考を終わらせていても仕方ない。
だから、僕には無理だ・・・では悲しすぎる。
僕はそれらの見渡しながら、「りんご姫」はどのタイプだろうと検討をしてみました。
それぞれをまずは一言で表すと何かなって考えたんです。
プーさん=自由
スヌーピー=哲学
アンパンマン=正義
ドラえもん=好奇心/未来
マリオ=挑戦・競争
僕はこの中でスヌーピーをりんご姫のモデルに選びました。
最初からではありません。
昨年の秋、生成AIが注目され始めてすぐ、
スガワラトモコ先生という天才が数日で作ってきた
「りんご姫」の原型を見てから、
そんな思いになりました。
スヌーピー=哲学
このりんご姫は「哲学」を伝えるものにしたい。
もっと言えば、多くの人が抱える悩みを
りんご姫が経験し、それを乗り越えていく物語にしたい。
外の敵と戦うのではなく、
自分の心と向き合い
その心の葛藤や悩みを乗り越える物語にしたい。
そう思ったのです。
そして大前提の公式を作りました。
りんご姫=あなた
(それと、いつか話しますが、りんご姫=多様性も僕は設定しました。)
です。
りんご姫の体験は、あなたの体験ですよと言えることが重要だと思ったのです。
僕らが日常経験する悩みや葛藤を
りんご姫に経験してもらい、
それに共感する。
そして、りんご姫は悩みながらも、自分の心と対峙し
そしてそれを乗り越える。
その姿に僕らは自分の姿を重ねて、勇気をもらう。
そういう型にしたいと思いました。
だからこそ、りんご姫の原則は
りんご姫=あなた
であり、だからこそ、その最初の物語である
絵本『りんご姫』は何よりもシンプルで派手さのない
誰でも経験している凡庸な悩みにフォーカスする必要がありました。
怪獣も、魔法使いも、タイムマシーンも、殺人鬼も出てきません。
ごくごく普通の女の子が、嫌味を言われるだけの物語です。
僕がCMでもそれを語っています。
全ての人間が、絵本の中のりんご姫のような体験をしているからです。
10年、そして、100年後の世界で
「りんご姫」が語られているならば、
それを超えるほど長い期間、語り継がれている偉大な何かから
そのエッセンスをとってきたらいいのではと考えました。
それが、ギリシャ哲学であり、キリスト教であり、仏教という哲学です。
2500年という長い時間の中でも、
消えていかないどころか、さらに輝きを増すその思想には、
きっと人類の本質的な叡智が宿っているのではと考えたのです。
そのことを踏まえた上で、僕は、りんご姫が何に悩み、
どう超えていけばいいのかを考えました。
出した、現時点での結論が、
仏教でいうところの四苦八苦をりんご姫の悩みにしようというものです。
ブッダが人間の苦しみを四苦八苦にまとめてくれました。
その2500年間語り継がれてきた人間の本質的苦しみに
りんご姫が悩み、苦しみ、乗り越えていく姿が勇気を与えると考えました。
今回の絵本りんご姫では、その四苦八苦の一つ
怨憎会苦(おんぞうえく)
をりんご姫が超えていく姿が実は描かれています。
怨憎会苦とは、嫌な人に出会う苦しみです。
また、アニメ「ノアとりんごの木」でも、
怨憎会苦は、いじめっ子にひどいことをされる姿として描かれています。
また、アニメでは、実は四苦八苦の中のもう一つ、
愛別離苦(あいべつりく)も描かれています。
愛別離苦とは愛する人との別れの苦しみです。
ということで、りんご姫という壮大な物語を通して、
人生で誰もが経験する苦悩を乗り越える方法を伝えていけたらと考えています。
そうです。
りんご姫はただの物語ではなく
そこから何かを学び取ることができる寓話なのです。
2500年を超える叡智を学び、
その本質的部分を、この物語で伝えていけたら、
『りんご姫』は10年先にも光り輝くIPとして人々の役に立つ作品になるのではと考えたということです。
もしかしたら、りんご姫プロジェクトの原案は
手塚治虫の「ブッダ」(難しい本は読めないので漫画がいい)であり
プラトンの「ソクラテスの弁明」(これも漫画版)であり
聖書になるのかもしれません。
ということで
りんご姫=あなた
なのです。
りんご姫はあなたと同じ悩みを経験し
2500年の叡智を武器としてその悩みを超えていくヒロインなのです。
りんご姫の武器は「哲学」です。
絵本ではその武器を「森の老婆」が与えてくれました。
ちなみに絵本で森の老婆がりんご姫に怨憎会苦と戦うために与えた武器は
仏教でいうところの「少欲知足(しょうよくちそく)」という考え方です。
「足りない」部分をみつけだす世界を生きるのではなく
「足りている」世界を歩みなさい!と教えてくれる言葉です。
「足りている」世界、そんな世界こそ、他人を認めていくことができる世界ではないでしょうか。
「足りない」部分をみつけだす世界と
「足りている」世界と、あなたはどちらの世界を歩みたいですか。
絵本では、そんなことを僕が考えていることは分かりません。
でも、それでいいのです。
スガワラトモコという天才クリエーターの作るコンテンツや
骨くんという天才演出家が作る舞台に
2500年の叡智という息吹をこっそり吹き込むのが
僕の役割だと思っています。
それが10年、100年先に光る
流行り廃りに流されない
動ずることのない
最高のIPを作るために必要なことだと
僕は仮説を立てています。
さて、どうなるのでしょうか?
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