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俺は夢を追おうと思う。
栗山英樹
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「俺は夢を追おうと思う。」
僕は、その言葉を今から40年前、中学生の時にWBC(野球のW杯)全日本の監督、栗山英樹さんから聞いた。今の僕の仕事の原点はその言葉にあるんだ。僕の人生を変えてくれた大切な大切な言葉は栗山英樹先生からもらったんだ。
僕が中学生だった頃、うちの中学に教育実習生として来たのが、学芸大学の4年生だった栗山英樹先生でした。僕は野球部だったので、栗山先生にその期間は野球部の指導もしてもらっていました。当時、先生が練習の合間に「日米大学野球の日本代表に選ばれたんだ」なんて嘘みたいなことを言うので、同級生の間で、栗山先生はホラ吹き呼ばわりされて、あだ名は「日米」でした(笑)。みんなに「日米」って言われからかわれていました。好かれていたんでしょうね。とっても優しくて爽やかで素敵な大学生でした。中学生にとって、大学生のお兄さんは人気があり、特に栗山先生は優しくて、いじらせてくれて、人気がありました。そういえば、授業のバレーボールで他の教育実習生の友人と、とんでもない化け物みたいなスパイクを打って女子生徒に歓声を浴びていた姿を思い出します。
そんな時、たまたま僕は野球部の練習の合間に栗山先生と二人で話す時間があって
「これからどうするんですか?」
って特に意味もなく聞いたんです。
そしたら、栗山先生は
「実はな藤田、佐々木信也さん(プロ野球ニュースのキャスター)にヤクルトに来ないかって誘われているんだ。悩んでる。」
って教えてくれたんです。
(この当時の記憶ってすごいよね。40年経っても、佐々木信也さんの名前を言われたことを覚えている(驚))
僕が
「プロ野球ですか?すごいじゃないですか?国立大学から行く人なんてあまりいないし、すごいです。ただ、先生のセンスじゃ無理だと思います(笑)」
って冗談で返したんです。
そしたら栗山先生はこう言ったんです。
「そうだよな。確かにそう思う。俺のセンスじゃ無理だと思う。」
そしてこう続けたんだ。
「でもな、俺は夢を追おうと思う。」
中学生の僕にとって、その馬鹿みたいな純粋な、まっすぐな回答は、めっちゃ心を揺らしてくれた。
「俺は夢を追おうと思う。」
こんな漫画みたいなセリフ、人生でそんなに聞かないじゃないですか?
かっこよかった。中学生の僕にとって最高にかっこいいセリフでした。
僕は今でも、その時のかっこいい栗山先生の言葉を思い出します。
自分の仕事で悩んだ時は、いつもこのセリフを思い出して、挑戦できる方、夢を見れる方を、つまり困難な方を選ぶようになりました。
だって国立大学の野球部からプロになった人がそばにいてくれたことはとんでもない勇気になるじゃないですか?
先生はその後、確かテストを受けてヤクルトに入り、選手としては、テレビの「珍プレー」で気合いが入ったヘッドスライディングが目立ったり、人気者になっていった!今回のWBCの選手たちのような際立った記録は残せなかったけど、もう、夢を追う姿を見せてくれた時点で僕にとっては、どんな選手より、栗山先生がスーパースターなんです。先生と過ごした時間は、それだけで僕の自慢でした。僕は栗山先生に指導してもらったんだぜって。
あの「日米」が、世界一をかけて史上最強チームを率いて戦ってくれました。
あの日から40年後、僕にもちゃんとホラではない「日米決戦」を観せてくれました。
最高の試合でした。大谷選手やダルビッシュ選手、村上選手、吉田選手、その他、選手としての実績は先生は全く敵わない。でも、先生はそんな凄い選手を束ねて世界一の監督になったんです。すごくないですか?日米決戦で最高の試合を見せてくれた、世界最高の指導者が栗山先生なんです。人生最高の先生の一人です。
40年経っても僕の中で本当の「日米」になってくれました(笑)。
もう、あの時の夢を追い越しているでしょ。
夢を追っていた先生は、夢を追い越している。
すごいです。
あの日から僕は決めている。
何歳になっても
「俺は夢を追おうと思う。」
そう言える人間でありたいって。
今も、僕は馬鹿な挑戦ばかりしている。笑われてばかりいる。でも、そんな失敗の毎日の中で、そんな僕の挑戦に関わるすべての人にプロデューサーになってもらえるように願っている。僕のプロデューサーの定義は、「夢を実現に導く人」だ。
今、僕は日本初のAI絵本『りんご姫 』をプロデュースしたり、映画を作ったり、舞台を作ったり、アニメを作ったり、AIの学校を作ったりしている。「世界を変えるぜ!」なんて54歳になってもまだ言っている。そんな馬鹿みたいな夢に僕自身が挑戦する姿を見せることで、自分でも夢を実現させるような人を多数輩出していきたい。
そして、いつでも、あの日の栗山先生のように
「俺は夢を追おうと思う。」
そう言えるリーダーでいたい。
そうだ。プロデューサーの定義が「夢を実現に導く人」ならば
栗山先生、先生が一番のプロデューサーですね。
自分の夢も、大谷選手の夢も実現してくれたプロデューサーだ。
夢が実現しまくり。凄い!
先生の言葉を40年前にもらって本当によかった。
決して天才ではない。才能がないと認めていた人が、世界一のリーダーになったんです。
こんなに勇気をもらえることありますか?
優勝おめでとうございます。
今度は僕が夢を実現する番だ。
世界一を目指してやる。
そんなことがあったのですね!素敵です。